修学旅行で学んだこと

 令和4年度修学旅行は、関西、九州、北海道の3コースに分かれて研修しました。訪れた研修地の写真と生徒の感想を合わせてご覧ください。

北海道コース 函館 赤レンガ倉庫
北海道 コース 有珠山研修後の風景

関西コース

宮島 厳島仁者
広島 原爆死没者慰霊碑

倉敷美観地区や宮島などにも行きました。倉敷美観地区はレトロな街並みで落ち着く雰囲気の場所でした。宮島では厳島神社の有名な大鳥居を見ることができました

 印象に残っているのはある(平和学習で伺った)男の子の話です。その子は原爆が投下された後、瓦礫の下敷きになっている親を助けようと周りの人に声をかけました。周囲の人もけがを負っていて、彼の両親を助けることができなかったそうです。男の子はその後も「親を助けてくれ」と叫んでいたそうです。

 私はこの話を聞いて今自分に家族がいることや、平和に生活できていることはあたりまえではないと実感しました。今起きているロシアとウクライナの戦争が少しでも早く終わって、全ての人が安心して生活できる世の中になってほしいと思いました。(石井)

 僕は、今まで原爆がどれだけ恐ろしいことであるかあまり分かっていませんでした。特に学童疎開で親子が別々に暮らしている家族の話は心に残っています。原爆の恐ろしさと同時に、家族の安否がわからず、寂しく怖い思いをしたのだろうと思いました。

 僕には、まだまだ知るべきことが沢山あると思いました。そして、あまり原爆について考えた事がない人にもぜひ資料館に行ってもらい当時の様子を知ってほしいです。今回修学旅行で、このような場所に行けて原爆のことについて知ることができて良かったと思います(清水)

広島 原爆ドーム

九州コース

平和祈念像

 平和学習では、原爆資料館や原爆落下中心地に行きました。印象に残っているのは、被爆者の方のお話を聞いたことです。お話を聞いて、戦争のない平和な時代に生まれてきて良かったと思うと同時に、戦争を二度とやってはいけないと再認識しました。今度は、戦争の怖さを学んだ私たちが後世に伝えていく番です。安全な世界をを作ることができるのは、今生きている人間のみです。平和学習をした私たちが先頭に立ち、平和な世界を作っていきます。(西郷)

大刀洗平和記念館

最初に訪れたのは「筑前町立大刀洗平和記念館」です。ここに展示されていた数々の遺書には、自身のことよりも家族のことを思いやる気持ちが強く表れていました。空に憧れていた若者たちがこのように特攻して死んでいった姿を思い浮かべると、彼らの無念さがひしと伝わり、悲しい・悔しいという気持ちが溢れたと共に、戦争の愚かさを改めて思い知らされました。戦争はこれから先も起きてはならぬものだと強く思いました。見学時間が十分にはなかったので、大学生になったら再びこの地を訪れたいです。

 被爆講演で実際に体験を聞いてみて原爆がいかに人を殺したかがよくわかりました。被爆体験をした丸田さんは当時十三歳でした。原爆が落とされたとき、爆心地から1.3㎞だったといいます。原爆で、母は即死。和男さんは建物の下敷きになり重傷を負いました。いくら助けを呼んでも周りは誰も助けてくれず、自力で抜け出したそうです。ここから私は、戦争は人に余裕をなくさせ、さらに人の心をも失わせるものだと思いました。

 原爆資料館で強く目に焼き付いたものがあります。原爆の爆発時刻「11時2分」で止まった時計です。この時計は戦争が終わってもなお永遠にこの時間でとどまり続けているのです。この時刻にどれだけの人が苦しんで死んでいったのでしょう。展示されている写真には顔を悲痛にゆがめながら死んでいった人の死体、皮膚がわずかについたほとんど骨だけになった人の死体など痛ましい光景が広がっていました。原爆の殺傷能力の高さがこれほどにも高かったのだとは思いませんでした。原爆はやはり人を惨殺するためだけの道具でした。
 今もなお、各地で戦争が起こっています。我々が享受している平和は決して当たり前のものではありません。今の平和を維持していくためにも、我々はここ長崎で学んだ戦争の惨状を後世の人々に伝えていかねばならないと強く感じました。(岡田)

平和学習以外でも、ハウステンボスや軍艦島、長崎新地中華街などたくさんの場所を訪れました。いろんなことを感じ、楽しめた最高の修学旅行になりました

平和学習

 

北海道コース

トラピスチヌ修道院

ラフティング
アイヌ文化講演

 私たちは1日目にトラピスチヌ修道院に行きました。トラピスチヌ修道院とはキリスト教の一派で今でも、信仰者が毎日聖母マリア様にお祈りをしながら働いているそうです。こんなにも宗教のことを体感することは初めてでした。ガイドさんの話を聞いている時、アンジェラスの鐘が鳴り響き、そこにいた全員が息を飲みました。あまりにも幻想的な音色でした。
 北海道の料理はジンギスカンや石狩鍋が有名ですが、それらの料理は静岡の料理と比べて少し味が濃かったです。北海道は日本の中でも特に寒いので、食料を長期保存するために味が濃くなったそうです。食を通じて気候や文化を感じることができました。(藤原)

 午後はラフティングをしました。約7キロも川をくだり、北海道の自然を堪能しました。川の流れと風に揺られているときは全てのことを許容できるような気がしました。

夜はアイヌ講話を聞きました。
 アイヌ民族は人間も動物も、物までもが平等と考える世界観を持っていると教えていただきました。例えば壁にぶつかったら、痛いのは壁も同じだから壁を心配しなさいという教育があったりそうです。しかし、アイヌから土地を奪った本州の人々はそんな民族を差別してしまった。なんで差別なんかするのかなと疑問に思いました。ただ毛深いだけ、ただ食べているものが少し違っただけ。アイヌが先住民族と政府が認めたのは2008年。今の高校生、我々はアイヌが先住民族であることしか知りません。だからそもそも差別なんて概念をアイヌに対して抱いていません。無知であるからこそ差別がない。差別のない世界に繋がるヒントを得たような気がしました。(伊藤)